汝は人狼なりや?(※修正中。順を追って公開していきます)

 人から人へ決定打のように人狼同然なんて断言されてしまうだなんて、この場においてそれは……野々宮くんからしたら、死刑宣告のようなもの。

 ちらっと野々宮くんの方を見やると、彼の表情にサッと影が落ちたのが見えた。案の定、怖がっているような……いや、怯えているような反応。絶望の色に染まってしまっている。

 待って、このままだと、野々宮くんが人間なのか人狼なのか分からないのに、人狼と認識されたままで殺されてしまう……?!


「──っやめて……!!!」


 内心、焦る僕を他所に、ずっと俯いたままの彼女──由良城さんが、突如顔をあげてそう叫んだ。

 彼女の両目から涙は絶えず溢れ出ていて、感情を押し殺さずにいるからか、毛が逆立っているように見える。

 仮にも人狼だと判明した由良城さんのことを、次はどんな行動を移すのかと固唾を飲んで見ることしか出来ないクラスメートのみんな。

 緊迫した空気が部屋全体を飲み込んでいく。

 由良城さんは真っ直ぐに夜桜さんのことを見つめ、涙ながらに自分の思いの丈をぶつけた。


「聡志は何も悪くないから!聡志は、私と違って人狼じゃないから!全部っ、全部私が悪いからっ!だから、聡志を殺さないで……っ!!!」

「慧……」


 由良城さんの自分を庇うような発言に、(なんでそんなことを言うんだ?!)と目を見開く野々宮くん。

 だって、由良城さんが放ったその発言は……──自分が犯した罪をすべて、他の誰でもない自分自身が被ると言っていることと同じだから。


 ──こんな悲しいこと、あっていいわけがない。

 いいわけが、ないのに……っ。


 目が覚めるさっきまでは、いつもと変わらない比較的に平和……だけど、ちょっぴり騒がしい学校生活を送っていたというのに。