何回も何回も(由良城さんが人狼じゃなかったら良かったのに)(如月さんが食い殺されなければ良かったのに)(こんなゲームなんて、始まらなければ良かったのに)──そんなふうに過去を悔いるのに、平和な未来を想像するのに、そんな未来はどんどんと遠ざかっていってしまう。
「落ち着いて、慧。大丈夫。その気持ち、ちゃんと話せばみんなにも分かってもらえるから──」
「──分かるわけ、ないでしょ」
それは、あまりにも冷たい声だった。
その声は決して大きなものではないのに、由良城さんの泣き声だけしか発せられていない閉ざされた部屋の中では、驚くほどに大きく聞こえていた。
部屋の中の空気を切り裂くほどには冷たい声音。みんなで一斉にその声の主の方を向くと、かつて見たことのない恐ろしい形相で由良城さんのことを睨む、夜桜さんの姿があった。
「夜桜さん……?」
いつも穏やかな表情で過ごしている普段の姿からはまるで想像できない恐ろしい形相に、僕だけじゃなくて、周りのみんなもたじろいでいる様子。
先ほど、両親が人狼に食い殺されたと話してくれた時と似たような感情が瞳に宿っている。怒りや憎しみを通り越した──〝憎悪〟、〝厭悪〟、〝嫌厭〟とでも呼んだらいいのか。普段からの彼女とは似ても似つかわしくない感情。
……でも、夜桜さんだって、ちゃんとそういう負の感情を持つひとりの人間なんだ。誰もがみんな、綺麗な感情だけを持っているわけじゃない。僕たちみんなが、今までたまたまその一面と鉢合わせなかっただけで。
──僕だって、風子を殺した犯人が突然目の前に現れたなら、何をしでかすか分からない。
「落ち着いて、慧。大丈夫。その気持ち、ちゃんと話せばみんなにも分かってもらえるから──」
「──分かるわけ、ないでしょ」
それは、あまりにも冷たい声だった。
その声は決して大きなものではないのに、由良城さんの泣き声だけしか発せられていない閉ざされた部屋の中では、驚くほどに大きく聞こえていた。
部屋の中の空気を切り裂くほどには冷たい声音。みんなで一斉にその声の主の方を向くと、かつて見たことのない恐ろしい形相で由良城さんのことを睨む、夜桜さんの姿があった。
「夜桜さん……?」
いつも穏やかな表情で過ごしている普段の姿からはまるで想像できない恐ろしい形相に、僕だけじゃなくて、周りのみんなもたじろいでいる様子。
先ほど、両親が人狼に食い殺されたと話してくれた時と似たような感情が瞳に宿っている。怒りや憎しみを通り越した──〝憎悪〟、〝厭悪〟、〝嫌厭〟とでも呼んだらいいのか。普段からの彼女とは似ても似つかわしくない感情。
……でも、夜桜さんだって、ちゃんとそういう負の感情を持つひとりの人間なんだ。誰もがみんな、綺麗な感情だけを持っているわけじゃない。僕たちみんなが、今までたまたまその一面と鉢合わせなかっただけで。
──僕だって、風子を殺した犯人が突然目の前に現れたなら、何をしでかすか分からない。



