「ねえ」
不意に頭上から降ってくる声。見上げると、にっこりと微笑む黒月くんが立っていた。
「盗み聞きする気はなかったんだけど、聞こえちゃって。僕も大和くんのその考え方、いいなって思ったんだ」
自分の意思とは関係なく黒月くんに聞かれていたことは恥ずかしいような……でも賛同してくれるのは嬉しいような……。変な気持ちになりつつも、お礼の言葉を述べた。
「ありがとう。ごめんね」
すると、キョトンとした顔で訊ねられる。
「どうして大和くんが謝るの?」
「え……」
同情とやらで言ってくれているんだと思う節があって、反射的に謝ってしまったんだ。そこを指摘されて、言葉に詰まる。
「大和くんのその考え方、僕は素敵だと思うのに。もっと胸を張ってもいいと思うよ?」
さらさらとそう言ってのける黒月くん。しかも曇りない眩しいほどの笑顔付きで。
……日々、みんなからモテる理由を改めてちゃんと目の当たりにした気がする。そんな眩しい笑顔でそんなことを言われてしまったら、確かにみんな黙っていない。
「でも……──」
そう言って、すっ……と両目を細めた黒月くんは、大上さんが座る方とは別の僕の隣に並ぶようにして座り込み、僕の耳元に自らの口を近付ける。
「──今のこの状況では、他の誰にも言わない方がいいかもね」
「……!」
静かにそう、囁いたんだ。
どういう意味なのかを問おうと彼の顔色を伺うと、彼はただ、立てた自分の人差し指を自らの口元に当て、「しっ……」と言うだけだった。
……確かに、黒月くんの言う通り、この状況で迂闊に放つ発言では無いかもしれない。
実際に人狼がいるらしいこの空間での僕の考え方は、人間にとっても人狼にとっても良くは聞こえないだろう。
聞く人間にとっては人狼を庇っているようにも聞こえるし、聞く人狼にとっては自分の餌として真っ先に目をつけられてしまうだろうから。「ふざけるな。こんな状況でなに寝ぼけたことを言っているんだ」って。
不意に頭上から降ってくる声。見上げると、にっこりと微笑む黒月くんが立っていた。
「盗み聞きする気はなかったんだけど、聞こえちゃって。僕も大和くんのその考え方、いいなって思ったんだ」
自分の意思とは関係なく黒月くんに聞かれていたことは恥ずかしいような……でも賛同してくれるのは嬉しいような……。変な気持ちになりつつも、お礼の言葉を述べた。
「ありがとう。ごめんね」
すると、キョトンとした顔で訊ねられる。
「どうして大和くんが謝るの?」
「え……」
同情とやらで言ってくれているんだと思う節があって、反射的に謝ってしまったんだ。そこを指摘されて、言葉に詰まる。
「大和くんのその考え方、僕は素敵だと思うのに。もっと胸を張ってもいいと思うよ?」
さらさらとそう言ってのける黒月くん。しかも曇りない眩しいほどの笑顔付きで。
……日々、みんなからモテる理由を改めてちゃんと目の当たりにした気がする。そんな眩しい笑顔でそんなことを言われてしまったら、確かにみんな黙っていない。
「でも……──」
そう言って、すっ……と両目を細めた黒月くんは、大上さんが座る方とは別の僕の隣に並ぶようにして座り込み、僕の耳元に自らの口を近付ける。
「──今のこの状況では、他の誰にも言わない方がいいかもね」
「……!」
静かにそう、囁いたんだ。
どういう意味なのかを問おうと彼の顔色を伺うと、彼はただ、立てた自分の人差し指を自らの口元に当て、「しっ……」と言うだけだった。
……確かに、黒月くんの言う通り、この状況で迂闊に放つ発言では無いかもしれない。
実際に人狼がいるらしいこの空間での僕の考え方は、人間にとっても人狼にとっても良くは聞こえないだろう。
聞く人間にとっては人狼を庇っているようにも聞こえるし、聞く人狼にとっては自分の餌として真っ先に目をつけられてしまうだろうから。「ふざけるな。こんな状況でなに寝ぼけたことを言っているんだ」って。



