汝は人狼なりや?(※修正中。順を追って公開していきます)

 人に恨まれるようなことはしていない……と思う。少なくとも、僕はそう思って生きてきた。他の生徒たちも僕と同じふうに考えているに違いない。誰かに恨まれるようなことは、まったく身に覚えがないんだ。


「じゃあさ、俺達を誘拐した意味はなんだろう?」

「身代金の要求とか?」


 火神くんの疑問に、予想を答える馬鹿くん。……やっぱり、こんな集団誘拐ってなると、誘拐犯の目的は身代金と考えるのが妥当だよね。


「……このまま殺されるっていうオチはない、よな?」

「ちょっと!怖いことを言わないでよ!夕里ちゃんが怖がってるじゃん」

「夕里ちゃん、私達が一緒にいるから、大丈夫だからねっ!」


 怯えて恐ろしいことを呟く壱壁くんに、明智さんが怖がるからとなだめる女子生徒たち。女子生徒の真ん中にいる明智さん本人の両目は、涙で潤んでいるように見えた。

 でも、壱壁くんの言葉を聞いて思ったのだけれど、誘拐犯の目的が身代金……じゃなくて、自分の欲求を満たすためだけのものだったら、どうしよう。

 たとえば、壱壁くんが言ったように、ただ殺すことが目的だったりとか。性的な目に遭わされる可能性もゼロじゃないし、人身売買だなんてことも……考えられる?

 そもそも、誘拐犯は日本人なんだろうか?まさか……人狼?僕たちをエサとして閉じ込めている、とか。外国人だったら、僕自身が英語が得意じゃないから、言葉が通じないのはつらいなぁ……。

 ひとり、そんなことを考えていると、いつの間にか部屋の中は、生徒たちの不安や恐怖などのガヤガヤとした声で覆い尽くされてしまっていた。