汝は人狼なりや?(※修正中。順を追って公開していきます)

 寺山さんが殴られたことをなかったことにして、無理やり話を元に戻してやり過ごそうっていう魂胆なんだと思う。どうだろう。狼谷くん、さらに怒ったりしないかな……?

 目だけを動かして狼谷くんの方を見やると、彼はギロっと寺山さんや上杉くんのことを睨んでいて。やがて深く溜め息を吐いた彼は、ドカッとその場に座り込んだ。

 ……どうやら、勝手にしろという意味らしい。


「えーと、まずは……寺山さん、大丈夫?」


 心配そうな表情を浮かべた上杉くんは、小さな声で寺山さんに問いかけながら、しゃがみ込んでいる彼女の顔を覗き込んだ。

 その前に、周りの女子生徒が先に寺山さんのことを心配していたけど、どうやら大丈夫らしい。寺山さんは「これくらい平気よ」と微笑んでみせた。それなら、よかった。──と同時に、陰ながら心の中でしか心配できない自分に、歯がゆさを感じた。


「なんにもないなら、いいんだ、よかった。それじゃあ……」


 上杉くんは他の生徒──僕たちをゆっくりと見渡したあと、ゆっくりと口を開く。


「まず最初に、確認なんだけど。ここにいるみんなは、猫塚高校2年1組のクラスメートっていうことで……いいんだよね?」


 上杉くんの質問を聞いたみんなは、各自首を動かして辺りを見渡す。改めて僕も見渡すけれど、見知った顔があるだけ。顔を見合わせたみんなも、ここにいるのが2年1組のクラスメート全員なのだと確認し、誰も否定する者はいない。


「俺達のクラスメート以外の人がいたり、誰かがいないなんていうことは……ないみたいだね」


 上杉くん本人も辺りを見渡した。何度確認しても、この場にいるのはクラスメートのみんなだ。