幸樹は明日奈と向かい合わせに位置をかえると、明日奈の両肩をギュッとつかんで、目をのぞきこんだ。

「俺が君をほしいと言ったら・・・真剣に考えてくれる？」


「先生・・・ほんとに？」


「君に逃げられたら、もう俺は立ち直れないけどな。たぶん。」


「私はここに居たいの。
先生のサポートをできたらいいなと思って獣医も目指すんだから！」


「マジか？」


「ええ。幸太郎に挨拶して、ゴハンの用意もしなきゃいえないでしょ。
健康管理もしなくちゃ。
もちろん奈々もね。

犬もいて、猫もいてハムスターもいたりいなかったりで・・・研究に集中しすぎてゴハンも忘れてる飼い主さんにもゴハンの用意をしてあげなきゃいけないでしょう？
あ、私・・・何言ってるのかしら・・・。」


「自惚れていいのかな。
明日奈が俺の世話をやいてくれるために、ここにいてくれるなんて。」


「でもぉ・・・当分は私は下宿中の学生よ。
勉強中の身なんだもの。
きちんと資格をとって、ちゃんと獣医になることが目標よ。
だから・・・そこのとこは考えてほしいの。
つまり、その・・・。」


「セックスはしないって言ってるわけ？」


「きゃっ！」



「ほんとに明日奈はかわいいなぁ。
俺、そんな約束はできないな。」


「ちょっとぉ、私は勉強するからには！！！」


「資格をとって働きたいんでしょ。
俺の子を身ごもってても試験はできる。
あっ、試験中がつわりで・・・なんていう時期は避けるようにするよ。」


「そんなっ・・・バカっ！」


「仕方ないだろ。明日奈は魅力的すぎて、我慢するほうが無理だもんなぁ。
それに俺は紳士じゃないんだ。
幸太郎が明日奈の指に舌をからめただけでも、めっちゃむかつく！」


「ぷっ！もう・・・バカっ、やだっ。」


「やだじゃない！」


幸樹は真剣な目をして明日奈の目を見つめると、はげしく明日奈の唇を奪っていた。

唇をいったんはずしても、すぐに明日奈の唇を求める。


「ああっ・・・だめっ。こんなの。」


明日奈が何とか言葉を発すると、幸樹は今まで明日奈に見せたことのない程、愛しさでいっぱいという表情で言った。


「わかった。夜中に俺の寝室に来い。
来なかったら迎えにいく。いいな。」


「ど、どうしてそうなるの？
私の説明きいてた？」


「きいてたけど、却下した。
俺が手を出しておかないと、ストーカーだの痴漢だの寄ってきては困るからな。
それに・・・俺の我慢はもう限界だ。」


「わかったわ。夜にそっちへ行きます。」


「うん。夕飯後から受け付けてるから。」


「もう！」