奏太と由美先輩が再会したのも。
奏太が由美先輩を放っておけず、一緒に暮らし始めたのも。
私の車が壊れたのが、たまたま宇津木自動車の目の前だったのも。
そこに奏太が勤めていて、私と再会したのも。
そして、私たちが再び恋に落ちたのも。
「じゃあ、何の力だっていうのよ」
これらはきっと、この人の力なんじゃないかと。
「モト先輩です」
不思議な偶然も、そう考えれば素敵な必然に思える。
「は……? モト……?」
亡くなった恋人の名に、訝る彼女の顔はますます険しくなる。
私は構わずゆっくり頷いた。
「こういう形で由美先輩のこと、見守ってくれてるんだと思うんです」
「都合のいいこと言わないで」
「すみません。でも、私はそう信じたい」
「なにそれ。バカみたい……」
由美先輩はそう悪態づいたけれど、声は詰まり目も潤んでいる。
きっと彼女にだって、そう思えることが何度もあったはずなのだ。
「私、奏太と再会した時、運命だ!なんて単純に思ったんですけど。今は、ひとつの過程だったんじゃないかって。私が運命に導かれて再会を果たしたのは、きっと由美先輩だったんですね」
奏太も、私も、もしかしたら私と奏太がうまくいくよう応援してくれた清香先輩やタケ先輩だって。
由美先輩を見守るモト先輩に、彼女を救うための使命を少しずつ与えられていたのかもしれない。



