くるまのなかで


彼女の反応があまりに予想外で、言葉の意味がすぐには理解できなかった。

「えっ? やり方って?」

「奏太と付き合ってるあんたにとって、あたしが邪魔なのはわかってる。でも、スーパーバイザーだか何だか知らないけど、自分がそういう仕事をしてるからって、そこまでしてあたしをここから追い出したい?」

追い出したいだなんて。

そんな気持ちが全くないと言ったら嘘になるけれど、でも。

「そんなつもりじゃありません!」

「由美!」

今まで黙って聞いていた奏太も、焦ったように声を上げる。

まさかそんなふうに捉えられるなんて。

すぐにでも行動したくて、事を急いてしまった。

迂闊だった。

このタイミングでこういう話をすれば、彼女には「奏太と引き離したいがために、適当な職を与えて自立させようとしている」と思われても仕方がない。

彼女を傷つけたかったわけじゃないのに。

由美先輩は悔しそうに唇を噛んで、一度大きく深呼吸した。

「仕事くらい、自分で見つける! コバリノがいるからにはいつまでも奏太に頼るわけにはいかないし、住むとこだって、ちゃんと探してるっ……! だからっ、もう少しくらい、待ってくれたって……」

激しく捲し立てていた彼女がだんだん声を詰まらせ、次第に涙を流し始めて、私と奏太はグッと息を飲む。