私は幼い頃から、強い女になりたかった。

シンデレラや白雪姫などのお姫様が王子様と幸せになるおとぎ話より、セーラームーンやチャーリーズエンジェルなど、誰かのために戦うヒロインに憧れた。

誰かに守ってもらえなくても、自分の力で戦える女になりたかった。

もし私に恋人ができるなら、戦う私を応援してくれる優しい人がいい。

私が疲れたら労ってくれて、ピンチのときは手を貸してくれる、包容力のある人がいい。

そう思っていた私は高校一年生のある日、徳井奏太に出会った。

私は当然のように彼に恋をして、愛され、甘えることを覚えた。

そしてその幸せな感覚の虜になった。

私は彼に恋をして、よりいっそう強い女になりたくなった。

私を何者からも守ってくれる母と、私を支えてくれる奏太を、自分の手で守りたいと思った。

そのためには健康な体と、十分に動ける体力、さらに物事を正しく判断するための知力が必要だ。

それらを身につけるために、できることをしてきたつもりである。