「じゃあ、どうして一緒に住んでるの? ていうかあの子、誰の子なの?」
「カズは、由美の元旦那の子。離婚してこっちに戻ってきたんだけど、あいつんとこも元々母子家庭だし、おばさんは俺らが卒業してすぐに再婚して、ご主人との間に子供もいるから、頼れなかったみたいで」
由美先輩のお母さんには、一度だけ会ったことがある。
さすがは由美先輩のお母さんというだけあって、すごく美人で、何より若かった。
由美先輩が高校3年生のとき、お母さんは35歳だと言っていた。
17歳で由美先輩を産んだ計算になる。
由美先輩自身モト先輩とラブラブだったけれど、彼女のお母さんも年甲斐もなく彼氏とラブラブなのだと、呆れ半分で愚痴っていたのを聞いたことがあった。
彼女のお母さんなら、再婚してもうひとり子供を産んだと聞いても不思議には思わない。
「でも、だからって奏太を頼るなんて……」
呟きながらふとよぎった、モト先輩の死。
奏太は彼の死を、自分のせいだと思っている節がある。
モト先輩の愛した人を放っておけなかったのだろう。
自分の都合より仲間を助けることを優先してしまう彼の性格。
そういう優しさや懐の大きさこそ、私が彼に強く惹かれる理由のひとつであるが、それが今、こうして自分の胸を傷つける要因になっている。



