私が遠慮なく睨みつけると、枕木チーフはホッとしたように息をついた。

「まだそっちの顔の方がマシだな。いつもの小林って感じで」

「失礼な。私は枕木さん以外の人には、めったにこんな顔しませんよ」

「特別扱いだなんて、やっだーもう。アタシのことが好きなのぉ〜?」

急にオカマ口調・オカマ仕草になったチーフに、さぽーとこーるのメンバーがどっと沸く。

私は強い口調で一言。

「キモッ!」

この返しに、センター内はまた沸いた。

イライラを心の中で処理しながら自分の席に座る。

向かいの席では、奈津さんがまだクスクス笑っている。

「あはは、もうほんと、さすがチーフだね。うまいわー」

「さすがって、うまいって、どういうことですか」

私、散々バカにされて、からかわれてたんですけど。

ブスだと言われた私を哀れんでくれたり、そうのたまったあのクソ上司を罵ってくれたっていいんじゃないですか?

「だって梨乃ちゃん、入ってくるとき、ほんと酷い顔してたよ?」

「ひっ……え?」

奈津さんまで、私をブス呼ばわりですか?

それはさすがにヘコみます。

「ごめんごめん。そうじゃなくて、幸せMAXでデレデレな感じ。何かイイ事あったんだね」

「そ、それは……」

顔がかあっと熱くなる。

すみません、恋が叶ったので舞い上がってます。

私ったら、また顔に出してたのか……。