「まず、自己紹介ね。友達の菜月」


栞理にそう言われあたしは「は、はじめまして」と、しどろもどろに頭を下げた。


だって、みんな同年代とは思ないくらいに大人っぽい。


「そんな緊張しないでよ。俺はケンジよろしく」


そう言ってほほ笑んだのは体格のいい男の子だった。


「よ、よろしく……」


せっかくケンジ君がほほ笑んでくれても、あたしは頬を引きつらせるしかできなかった。


自分の世界が急速に変化していくのを感じ、戸惑っている。


他の3人の男の子たちも笑顔で挨拶をしてくれたけれど、緊張してその名前すらハッキリと覚えられなかった。


「男どもは全員隣町の高校に通ってる高校2年生だよ」


栞理にそう言われ「そうなんだ」と、短く返事をする。


緊張してしまって、何を言えばいいかわからない状態だ。


「じゃ、とにかく移動しよっか」


一応形だけの自己紹介が終わり、栞理が言う。


「あたしソフトクリーム食べたい!」


クラスメートの1人がそう声を上げた。


その瞬間、あたしは栞理に見せられた画像を思い出し胸の奥が苦しくなった。