むやみに人を傷つけるわけでもない、ちゃんとした秩序を持っている王様はみんなにも慕われる。

栞理の言う通りにしていれば、このクラス内での立場も安全。


そんな雰囲気がしていた。


ただ……。


いつも亜耶と一緒にいたあたしは、やはり栞理の作られた美しさが気になっていた。


バッチリ化粧をしてカラコンで目を大きくしているのがわかる。


亜耶とは違う美しさに、あたしは栞理そのものも作られているんじゃないか?


そんな風に思ってしまうのだ。


あたしは栞理たちの会話に入りながら、チラリと亜耶を見た。


亜耶は1人で椅子に座り、少し心配そうな顔をしてこちらを見ていたのだった……。