その綺麗な笑顔にあたしは思わずドキッとしてしまった。


友達相手にドキドキするなんて!


と、自分を叱る。


「でも、あたしに恋愛感情はないでしょ?」


「そうだねぇ。菜月は女の子だから」


と、言う事は。


亜耶は一応男の子が好きなんだ。


そうとわかると、少しだけホッとした。


まさか本当に女の子が好きなんじゃないかと、そしてその相手はあたしなんじゃないかと、疑ってかかるところだった。


「先輩どこに行ったんだろうね」


脱線した話を元に戻し、あたしはそう言った。


亜耶はただ首を傾げていただけだった。