「あのぉ~、甘いもの…好きなんですか?」


大学生らしきオシャレで綺麗な人たち。


もちろん、視線は瀬ノ内君だけに注がれている。


「ここ、フレンチトーストが美味しいらしいんですよね~!私たち、フレンチトースト好きなんですよぉ~。」


「楽しみですよねっ!!」


口々に話し掛ける女の人たち。


でも、瀬ノ内君からは何も反応が無い。


無視…?


隣に目を向ければ、無表情の瀬ノ内君の姿が映った。


えっ、何よ…その無愛想な顔は。


女の子に興味なくても、私と話してる時みたいな笑顔を作ればいいのに…。


冷ややかに見ていると、一人の女性が瀬ノ内君の腕に触れた。


「もし良かったら、私たちと一緒にお茶しませんかぁ~?相席しましょうよ~!」


他の二人の女性も、賛成…と言わんばかりに頷く。


おそらく、私は…人数に入ってない。


邪魔者になるし、退散した方が良さそう。


握られている手を解こうとした時だった。