「そ、それより…クレープ食べようよ。さっきよりも、お腹…空いちゃった。」


「……俺も、怒ったら腹減った。あそこにベンチあるから、そこで食べるか!」


「そうだね。」


ベンチへと移動する私たち。


二人で並んで座ると、早速…クレープを頬張った。


「美味しい!」


生クリームとチョコレートの程よい甘さと、添えられているブルーベリーやラズベリー、ストロベリーの甘酸っぱさが絶妙だ。


「由依のクレープ、あのお店の人気ナンバーワンのメニューらしい。由依にどのメニューがいいか聞くの忘れちまったからさ、人気のものを注文してみたんだけど、喜んでくれて良かった。」


陽希はホッとした笑みを浮かべた後、クレープを食べ始めた。


「こっちも美味い…。」


「陽希は、何を買ったの?」


「俺はチキンと野菜のクレープ。トマトソースがピリ辛で、結構イケる。こういうクレープは初めて食ったけど、意外とアリだな。」


へぇ、そうなんだ…。


ちょっと、食べてみたいかも…。


ジーッとクレープを見つめると、陽希はフッと笑った。 



「俺のも、食べてみる?」