どうしてこの手紙が入ってるんだろう?

あたし何もされてないよ?



今までは階段から突き飛ばされたり、水溜まりに落とされたり、足引っかけられたりしたり。

まぁ、何かしらされた翌日に手紙が入っていたけど、今回は違う。


あたしは何もされていない。


これが指し示す意味は……?




お馬鹿なあたしがいくら考えたって答えなんて出てこないのは分かっている。


だから、答えを知る為あたしは躊躇なくその手紙を開けた。


一応誰にもバレないように周囲を確認してから封を開ける。



中から出てきたのは、見覚えのある白い紙。


あたしの中で“予感”が“確信”に変わった瞬間だった。




今更何の用事なんだろう?


っていうか、何か言いたい事があるんなら顔バレてるんだし直接言いに来たらいいのに。


何でまた手紙なの?



あれだけ十夜や煌に痛い目に合わされたのに、全然懲りてないってある意味感心するよ。

ホント、いい加減にして欲しいんですけど。



溜め息を繰り返しながら取り出した紙をゆっくり開ければ、真っ白な便箋の真ん中には以前と同じ字体で書かれた文章が綴られていた。



【聞きたい事がある。放課後、一人で裏門に来て】



聞きたいこと?何それ。


っていうか、なんか拍子抜け。

だって、謝罪の言葉でも無ければ脅しの言葉でもないから。


聞きたいこと。


それだったら手紙じゃなく直接聞きに来たらいいのに。


まぁいいか。不完全燃焼だし仕方ないから放課後行ってやる。


聞きたい事が何なのか分からないけど、もし前みたいに喧嘩売りに来たらその時は容赦はしない。


あの時あたし忠告したしね。


次はないからって。