「あんな変な空気になっちゃってごめんね」

「……ううん、わたしこそごめんね」

「なんで謝んの? かすみんはなんも悪いことしてねーよ」

「でも」



わたしのせいかなって思ったんだもん。
ちらっと橋本くんのことを見ると、困ったような顔をしていた。



「いろいろあるんだよね。 今日は俺も若菜もふつうに話しちゃったけどさ、やっぱりまだダメそう」

「なにが? どういうこと?」

「ははっ、また今度本人から聞いて」



彼の言葉がよくわからなくて首を傾げていると、橋本くんは苦笑いを浮かべてぽつりとつぶやいた。


……そう言われても、わかんないよ。



「でもかすみんのせいじゃないから。 ね?」

「うん」



ちゃんとした理由がわからないから納得はいかないけど、とりあえず小さくうなずいた。



「まあ、明日になったらまたいつもどおりだから」

「……そっか、わかった」



そこで話は終わって、わたしと橋本くんはお互い沈黙のまま教室へと帰っていった。








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