「ちょっとショックだったけど、蒼くんの相手がかすみんだから、許せちゃう」



「ふふ」と笑う沙莉を見て、わたしも笑顔をみせた。


沙莉、そんなのって優しすぎるよ。
わたし、本当にここにきて、良い友だちをたくさん持ったなあ……。



「ありがとう」

「ううん。だってかすみんはわたしの大切な友だちだから、こんなことで失いたくないもん」

「わたしも、沙莉のこと大切な友だちだよ」

「えへへ、なんか照れるね〜」



そう言って照れ笑いを浮かべる沙莉を見て、「そうだね」と笑って返した。



――本当にこの町に来て、良かった。

大切だと思える人たちに出会えた。
大好きだと伝えたい人に出会えた。



ここにきてからの毎日、これから始まる毎日。
わたしは、1分1秒を大切にしたい。


オトナになんて、まだなりたくないな。
もっとこの時間を……楽しみたい。






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