それでもふたりで廊下に出て、開いているドアから隣のクラスをのぞいた。


若菜と沙莉が楽しそうに話しているのをしばらく見ていると、沙莉がわたしたちに気がついて、ふたりは荷物を持って駆け寄ってきた。



「かすみんと離れたの、残念だよ〜」

「本当。皐と華純を交換してほしいくらい」

「おい、若菜」



若菜の後ろにはいつの間にか皐くんが立っていて、怒ったように若菜の名前を呼んだ。



「わ、出た」

「おばけが出たみたいな言い方すんなよ」



そんなふたりのやり取りに、呆れながらも笑っちゃう。


というか、みんな同じクラスだったら良かったのになあ……。
それに、やっぱり沙莉と若菜が同じクラスなのはうらやましいな。