「あれ、高瀬じゃん」



若菜といっしょに写真を撮っていたりしていると、五十嵐くんがひとりの男の子を指さして、そう言った。


後ろ姿だけど、それを見てわたしもすぐに高瀬くんだとわかった。
そんな高瀬くんは、女の子といっしょにいた。

それが沙莉だということも、すぐにわかった。



そのふたりはカップルみたいに見えて、もしかしたらもう付き合ってるのかもしれない……。



胸がズキンズキンと痛んできた。


――ほら、だからダメなんだよね。

いつかあのふたりだって想いが通じ合って付き合うことになるんだから、そのときにわたしは祝福するべきなんだ。


だから、この想いがあふれそうになることを注意しなきゃいけないんだ。



そのあとはふたりにばれないようにすぐに五十嵐くんと小西くんと別れて、若菜といっしょに帰った。








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