まぶしいほど輝く、海と空の青。
どこからともなく聞こえる、波の音。
大きく息を吸うと、潮の香り。


あまりにもまぶしすぎるその光景に目がくらんで、ゆっくりと目を閉じた。



――あのころ、コドモのわたしにはすべてのことが理不尽に感じていた。


高校生は、コドモからオトナになるまでの道のりをぐるぐるとさまよっていて。

勉強や部活だけでなく、人間関係や恋の小さな悩みの種を持っていた。



どうしてうまくいかないんだろうって。
つまずいては転んで、痛みを隠しながらもこっそり泣いて。



早くオトナになりたい。
そう思って、近道かもわからないところを無我夢中で走り続けていたんだ。



だけど、そんなわたしを見つけてくれた人がいた。

キミがわたしの名前を呼ぶから足を止めた。



どんなに探したって、近道は見つからなかった。
それならいそがずゆっくり歩いてもいいのかなって思ったんだ。



コドモからオトナになるまでの途中。
キミと……青春に、寄り道中。






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