「吉井さん?」

「えっ?」

「とりあえず話の流れを説明するよ。 そうしたら、単語の意味も自然とわかるようになると思うし」

「わ、わかった。ありがとう」



高瀬くんが自分の時間を割いてまで教えてくれているんだから、集中しなきゃ……!


そう思って、しっかりとペンを握る。



「皐は、活用形をちゃんと覚えて」

「はーい」



ぼーっとしていた皐くんに高瀬くんがそう言うと、皐くんは渋々ノートを開いた。


そして高瀬くんは、最初の部分からゆっくりと丁寧にわたしに教えるのを始めた。

それはすごくわかりやすくて、理解力がないわたしでも、すぐに頭に入ってきた。



それにしても、高瀬くんって本当に頭いいんだろうな。

教えるのって、自分でちゃんと理解できていないと無理なことだと思うし。


集中していたつもりでもそうやっていろんなことを考えてしまっていた。

そしてたまに目の前にいる高瀬くんを見ては、恥ずかしくなって顔をうつむかせた。






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