*** 『村瀬』 『村瀬ってば、』 放課後になって、1人で帰ろうとしてたのに。 しつこく私の名前を呼んで、後をついてくる香川。 彼はなんで私のことを呼んで、付いてくるんだろう。 駄目だ、頭の中がぐちゃぐちゃだ。 そんな考えを忘れるように、少しだけペースをあげると、 『村瀬ってば、』 ぐっと右腕を後ろから掴まれた。 予想外すぎて、思わず立ち止まってしまった。