今の時間なら、おつかいか何かかな？
そう考えながら電話に出る。
「もしもし、お母さん？」
『茉奈ーっ、昨日はごめんねー？』
電話に出るなり陽気なお母さん。
「ごめんねじゃないよもう。散々だったんだから」
お母さんが宙を呼ぶし、しまいには鍵なんか渡しちゃうから…。
隣からなにやら視線を感じて、チラッと横を見ると私をじっと見ている宙。
〝なによ〟
口パクでそう宙に言うと「何でもねーよ、バーカ」そう小声で返ってきた。
「なっ……！」
『どうしたの、茉奈？』
「なんでもない！」
キッと宙を睨むと、声を抑えて笑っていた。
絶対面白がってるもん。
電話終わったら、一発シバいてやる。
「そ、それでどうしたのお母さん」
話を戻して、電話をかけてきたわけを聞いてみる。
