私のために連れてきてくれたんだよね?
嬉しいよ。
ここは、数日前宙が家に来てテレビを見ていた時にちょうどクリスマス特集でやっていたスポット。
それを見て私が行きたいなって言ったっけ?
でも、それはひとりごとのようなもので、なにも反応しなかった宙には聞こえてないと思ってた。
「ありがとう、宙」
最高のクリスマスだ。
宙が私を急がした理由って、このイルミネーションを見るためだったんだね?
「見たがってたろ?」
宙ってこんなにロマンチストだったっけ?
宙にはロマンチストなんて言葉は似合わなくて思わず笑ってしまいそうになる。
「行くぞ」
「次はどこっ?」
しばらくイルミネーションを満喫して、体も冷えてきた頃。
「お腹すいただろ?」
近くにあった時計を見るとちょうど夕飯時だった。
「うん」
手を繋いだまま、宙についていく。



