「…白雪姫」
そう言った宙が私の体を起こす。
いつもと違う展開に戸惑った小人と森の動物たちも顔を上げた。
「白雪姫っ!」
白雪姫が生き返ったことに喜ぶ小人と森の動物たち。
「あなたの事は、このわたしが一生お守りします。どうかわたしの城へ来て、わたしのお嫁さんになってくださいませんか?」
手を出して、最後のセリフを言う宙。
その言葉に、こくりと頷いた。
そんな宙の頬は、ほんのり赤い。
きっと私は、もっと赤い。
こんなの、初めてだから。
見つめ合うふたり。
そんなのもよそに、客席からは大きな拍手を受け、終わりを知らせるブザーが鳴り響いた。



