隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。



もの欲しさに、私は躊躇なくガラリと窓を開けてしまった。



……あ、バカ。



そう思った頃にはもう遅い。



「おじゃましまーす」



「この……バカ宙!」



「茉奈が開けたんだろ?」



そうなんだよね……本当に私ってバカ。



それより!



「宙、マフィン!」



「あぁ、はいはい。ほらよ」



「わぁー美味しそうっ!」



程よく焼けていて、食欲をそそるこんがりきつね色。



やっぱり宙のお母さんはお菓子作りの天才だ!



「母さんが、頑張れってさ」



宙のお母さんが応援の意味も込めて作ってくれたらしい。



仕事もあって忙しいのに……



本当に嬉しい。



今度なにかお礼しないとね?