「お疲れ様でしたー」
全員集合して挨拶をした後、確実バラバラに帰っていく。
「俺らも帰るか」
「うん」
すっかり暗くなってしまった夜道をふたり並んで歩く。
「はぁー」
ついに待ちに待った学校祭。
楽しみという気持ちとは別に不安な気持ちも募る。
みんなからの応援も嬉しいけど、逆にプレッシャーもある。
リハーサルではそれなりに上手くもできた。
リーダーの演技指導のおかげで、最初よりも上手く演じられるようにもなった。
実感はあるんだけど、それでもやっぱり不安になってしまう。
「全然元気ねーじゃん」
「…ちょっと、疲れちゃって」
明らかにテンションが下がっている私を見て、そんな声をかけてきた宙。



