隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。



そう、学校祭委員の私たちはまだ帰れないのだ。



教室はそれぞれのクラスが担当するのだけど、本部の設置、体育館の準備等は私たち学校祭委員の仕事。



全校生徒が下校した放課後に準備しなくてはいけない。



「頑張って」



「ありがとな」



宙がそう答えると大きく手を振りながらふたりが帰っていった。



そんなふたりが見えなくなるまで、私も大きく手を振った。



「よし、行くか」



「うん。私たちなんの担当だっけ?」



なんか言ってたかな、なんて思いながら宙と並んで体育館へ向かう。



「また聞いてなかったのかよ…」



人の長い話を聞くのはどうも苦手で……



気をつけて入るんだけどね?



「うっ、ごめん……」



毎回のことで言い訳をする気にもなれず、素直に謝った。