隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。



「なら、俺も行く」



いやいやいや、意味わかりませんから…!



一応表向きはカップルである私たちがふたりで買い出しに行こうとしているんだから、私たちはいいネタになる。



あたふたしているのは教室の中で私だけのようで、クラスメイトからひやかしの声が飛び交っていた。



そんな中で見つけた不敵な笑みを浮かべる人。



───たっくん。



犯人はあなたですか、たっくん。



次はなにを宙に仕掛けたんですか?



「……ほら、行くぞ」



「えっ、ちょっと待ってよ宙!」



な、なんで手繋いでるのー!?



そんな叫びは声にならないまま、学校を出た。