隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。



何かあったっていうか……



喧嘩をするのは毎日のことなんだけど。



「宙に大好きな唐揚げ食べられた」



そう口に出してみると、幼稚な理由だななんて思う。



けれど、大好きでせっかく後で食べようととっておいたものを勝手に食べられてしまったら誰だって怒るでしょ?



「そんなこと。宙くんったら相変わらずね?本当に茉奈のことが好きなんだから」



「…げほっ、ごほっ。や、やめてよお母さん!
絶対にありえないんだから!」



そんなことがあったらもう、吐き気しか出てこないよ?



「わからないわよ?ほら、朝の余りががあるから食べなさい?」



そう言って目の前に置かれる唐揚げ。



今にもよだれが出てしまいそう……



それくらい美味しそうでジューシーな香りが漂う。



からかってくるお母さんにムッとしていたけど、目の前に広がる大好きなご馳走に目を惹かれて頭の中は既に唐揚げでいっぱい。