「たっ……くん?」
この声は、たっくんだ。
なんで、たっくんが……。
「なんだお前」
「その子の連れですよ?俺の彼女に何してるんですか?」
「まじで連れいたのかよ」
「面倒くさいことになる前に行こうぜ。次、つぎ」
たっくんを見た男たちは、簡単に私を離して去っていった。
男たちがいなくなって視界がクリアになった先に立っていたたっくん。
その姿を見て安心した私は、足に力が入らなくなって、その場に崩れた。
「大丈夫?茉奈ちゃん。怖かったでしょ?」
「う、うん。…大丈夫」
全然大丈夫なんかじゃないけど。
すごく怖かったけど、たっくんが来てくれたから大丈夫。



