「な、なんですか。離してください」
「強気だねえ、この子。俺達のこと怖くないの?」
私を子ども扱いするかのように、目線を合わせて話してくるリーダー格の男。
「まんまと乗っかってくれたよ。それに連れ、いないんでしょ?俺たちに付き合ってよ」
私が案内した男がそう言った。
「いますよ、連れ」
一応、いる。
大ッ嫌いな幼なじみの宙が。
ウソ彼氏の宙が。
だから。
「付き合えません。離してください」
「でも今ひとりでしょ?ならいいじゃん」
「ちょっと!や、やめてっ…!」
私を引きずるように歩き出す5人組の男。
どこに連れていく気?
怖い……
ただ恐怖心だけが込み上げる。



