「それでは」
立ち去ろうとしたのに、なぜか腕をつかまれて動けない。
「あの…まだなにか?」
……ひぃっ。
まだ用事が残っていたのかと振り返ると、好青年が不敵な笑みを浮かべていた。
今の好青年には〝好青年〟なんて言葉は似合わない。
チャラくて、不良という感じだ。
背筋にゾッと寒気が走る。
私の心が怖いと言っていた。
「なぁ、ちょろくね?俺が一番早いだろ?」
「だな?5分くらいか?」
「それにお前、いい子連れてきたじゃん」
ゾロゾロとどこからか現れる男たち。
あっという間に、5人組の男に囲まれた。
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