隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。



いつもなら、ね?



「お前がこんなもの!とか言わないわけ?」



新しい服を着たときには〝似合わない〟。



アクセサリーを買えば〝趣味が悪い〟。



そんなことばかり言う宙なのに。



「言われたいのか?」



「そんなわけないでしょ」



いつもと違う宙に調子が狂う。



なんだか居心地が悪くなって、手に取っていたクマの置物を置いて、店を出た。



「待てよ。…待てって、茉奈!」



後ろからそんな声が聞こえたけど、私は知らんぷり。



ドカドカと歩いて行くと、後ろから宙はついてきていなかった。



……どこ行ったのよ。