隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。



「なんか欲しいものねーの?」



隣を歩く宙がそう私に問いかける。



欲しいもの……?



うーん、なんかあったかな?



元々物欲があまりない私は、すぐに欲しいものが思い浮かばない。



「…ない、かな?」



「つまんねーやつ」



「つまんなくて悪かったわね」



本当にないんだから仕方ないでしょ?



それ以降、宙は何もつっこんでこなかった。



ブラブラと歩いていくと、リニュアルオープンしたばかりの雑貨屋さんが見えた。



「…え?」



可愛いなあなんて考えながら歩いていると、急にその雑貨屋さんに入る宙。



私が思わずそうこぼすと、

「入りたいんだろ?」

とだけ言って中へと進んでいった。