「おまたせ」
全身ミラーで最終チェックをした後、下へ降りてソファーに腰をかけて待っていた宙に声をかける。
「ん、じゃあ行こうぜ」
うーん、やっぱり変だ。
家を出て外を歩きながら考える。
「なんだよ」
じっと宙を不思議そうに見ていると、視線を感じたのか、振り返った宙と目が合った。
「な、なんでもないから!」
慌てて私は目をそらして答える。
なんか声のトーンもいつもと違うんだよね。
ちょっとトゲがなくなったというか、なんというか。
最寄り駅から電車に乗り、二駅。
それからしばらく歩くと、ガヤガヤと騒がしいショッピングモールに着く。
来てみたはいいけれど、ただ暇だからと来たから、あてもなくブラブラと歩き回る。
休日だからか人も多い。



