たっくんは宙に無言で視線を送っていた。
そこから何かを感じ取ったのか、意味がわからないことを呟いて黙り込んだ宙。
たっくん…
一体何を伝えたの?
「なに、どういうこと?」
私がはてなを浮かべると、すみれは苦笑いした。
知らないのは私だけ?
寝てる間に何があったの?
「何でもねーよ。それより、朝ごはん食べるだろ?作っておいたから食え」
コトンと何かを食卓に置いた。
食卓へ行くと、美味しそうなトーストとスクランブルエッグ、ウィンナーが盛られたものと、牛乳が置かれていた。
よくある洋食の朝ごはん。
「…ありがとう」
起きない私の分もしっかり作っていてくれたなんて、少しはいいところあるじゃん。
そう思って、お礼を言った。



