美味しい… 悔しいけど、美味しい。 宙の料理を食べる度になんだか、できる宙できない私を感じて悔しいけど、宙の料理は絶品だ。 もちろんお母さんの〝次に〟だけど。 「碓氷くん、これ美味しいよっ」 よっぽど美味しかったのか、幸せそうなすみれ。 「それはどーも」 ちょっぴりぶっきらぼうだけど、喜ぶすみれにお礼を言う宙。 なんて珍しい。 「宙、お礼言えるんだ」 「あ?お前、俺をなんだと思ってんだ?」 「お礼なんて言えないバカ宙」 「んだと?」 「ちょっとやめてよ、ふたりともっ!」 「ごめん…」