隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。



───そして、お昼休み。



いつものようにお弁当を4人で広げて食べる。



「あれ?今日の茉奈ちゃんのお弁当箱可愛いね!」



「ありがと、すみれっ」



「ピンクの弁当箱とか似合わねー」



何よ、いちいち。



いつもの大きいお弁当箱に毎日何かかしらムカつくことを言ってくる宙。



そんな宙を見返してやろうと、食器棚の奥から眠っていたこの可愛いピンク色のお弁当箱を出したんだ。



それなのに宙からあれこれ言われる始末。



可愛いお弁当箱のひとつやふたつ、私だって持ってるよ。



「一応私、女の子なんで」



そう告げて、お弁当箱を開ける。



「美味しそう……」



思わず出てしまった、このワード。



チラッと横を見ると得意気な顔の宙。



このお弁当も作ったのは宙。



しかも私の大好きな唐揚げ入り。



ムカつくけど、好物を入れてくれたことに免じて許そう。