「緒方、なんか言ったか?」
「い、いえ…なんでもありません」
否定すらもできなくなったなんて…
苦痛だ。
苦痛で仕方ない。
名前が呼ばれるまで寝ていた宙は、何が起きているのかわからずにぼーっとしたまま。
「そうそう、今日も委員会あるからよろしくな!」
そう言い残して、先生は教室を後にした。
今日も委員会あるんだ。
「今日はちゃんと話聞いとけよ」
「言われなくても聞きますよ!」
あの日は、宙のこと考えてたらいつの間にか委員会が終わってて……
って!
違う違う!
たしかに宙のことだけど、あの時は怒ってたんだよ。
遅刻してふたりで学校祭委員にさせられてムカついてたんだもん。
それは仕方ない。



