隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。



***



───学校からの帰り道



そんなこんなで何故か付き合ったということにさせられた私たち。



宙は怖いくらいに不機嫌。



楽しそうに前を歩くたっくんとすみれ。



それに対して私たちは、真っ黒なオーラがにじみ出てきそうなくらい暗い。



全てはたっくんの一言…



〝付き合ってみたらどう?〟



これが始まりだ。



「なぁ、茉奈」



「な、なに…」



テンションが低くて、声までも普段より低い宙から呼ばれるほど怖いものはない。



そんな宙の口から発せられた言葉に、私は耳を疑った。



「今日から俺の彼女になれよ」



はい?



さっきまで嫌がってなかったっけ?



私を避けるくらいに。



現に今だって、私と宙との距離は道の幅ほどに開いている。



「今、なんて?」