隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。



そして始まってしまった地獄のクライマックスシーン。



私が棺に見立てた机の上に寝そべり、その周りを七人の小人が囲んで泣き真似をする。



「白雪姫っ……」



「死んじゃいやだよ!」



「わーん」



すごい演技……。



なんだかただの劇なのに、本当に死んでしまったかのようで小人たちに申し訳なくなる。



小人たちが泣き叫ぶ中聞こえてくる足音。



一部の女子からは「きゃあ」という声が聞こえる。



王子様の登場か。



来ないで欲しい……



なんて願うけど、物語がそうなんだから仕方がない。



台本をチラッと見ると、白雪姫は目をつぶると書かれている。



王子様役の宙が近づいてくるのを確認して、私はゆっくり目を閉じた。