隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。



***



そしてその日の昼休み。



隣のアイツは爆睡中。



「こうやって黙っていればかっこいいのにさ…」



悔しいけど、机の上に伏せて寝ている宙の腕の隙間から見える整った顔を見ればそう思ってしまう。



いつも嫌がらせばかりで大ッ嫌いな奴だけど、こいつの笑顔だけは好き。



これは絶対秘密だけど。



何があっても言ってはあげないんだから。



もちろん、かっこいいってこともね。



「茉奈ちゃーん!お弁当食べよ?」



ピンクのお弁当箱を持って私のところにかけてくるすみれ。



ピンクのお弁当箱を持ってるってところからして女の子らしい。



それ対して私はどうだろう……



真っ黒のお弁当箱で、サイズもすみれの倍の大きさだ。



「いっつも思うけどさ、すみれはそれだけで足りるの?」