「これが餃子か?」
トレーに並べられた餃子をひとつ手に取って、茉奈をからかう。
「うるさいわね。そんなに言うならやってみなさいよ」
言ったな?
茉奈は「難しいからできるわけない」なんて言ってるけど…
餃子くらいは作ったことがある。
母さんに無理矢理手伝わされただけだけど……
「その言葉、言ったこと後悔するぞ」
結構俺は器用な方だ。
だからこのくらい……
茉奈の目の前でササッと餃子を作ってやった。
具材が大きくて上手くはいかなかったけど、見た目は餃子。
まあまあのできだろう。
俺がドヤ顔で作ってやると、「私にだってそのくらいできる」と言って、黙々と餃子作りを再開していた。



