「はぁ?元はと言えばお前が俺より先に行くからだろ?」
「………はい?」
意味わかんないんだけど……
鋭い目つきで宙を見つめたけれど、同じくらい鋭い目つきをしていた宙の顔には焦りの色が見えた。
「な、なんでもねぇーよ!」
「何よ、はっきり言いなさいよ」
焦る宙、イライラする私。
ずっと私たちの隣にいるすみれとたっくんは、そんな私たちを見てクスクスと笑っていた。
「何?2人にはわかるの?どういうこと?」
「ほらほら、仲良しカップルさん、喧嘩はやめろよー?」
「…せ、先生!?」
このタイミングで教室に入ってくる先生。
いつの間にかチャイムもなりホームルームの時間だった。
「まず、カップルじゃないですし、仲良しなんてありえないです!」
「はーい、せんせー。それだけは迷惑なんでやめてくださーい」
この………宙のやつ…!



