雲外に沈む 妖刀奇譚 第弐幕






それが本当ならば、矢田が人ならざる何かの影響を受けている可能性はかなり高い。


オカルト研究部が行ったという噂の儀式も関わってきているかもしれなかった。


しかし不確定要素が強く、儀式どうのは來世のふざけ半分の発言だったので、思葉はそのことについては何も言わなかった。



「ほんの少しの心境の変化で性格が豹変することだってよくある話だ。


必ずしもそこに妖が絡んでいるわけではないが……その女子には気をつけておいた方がいいかもしれんな。


そうだ、匂い袋も中身を変えておけ。


それを身につけているにも関わらず傷を受けたのだろう?」



いきなり匂い袋のことを言われて思葉はぎくりとした。


誤魔化そうにも目を泳がせたところを見られてしまい、玖皎が小首を傾げたので、諦めて白状する。



「……あーっと、そのときだけたまたま、匂い袋付けてなかったんだよね」


「はあっ?」


「体育の授業でさすがにバレるから外して、制服に着替えたときにかけ忘れちゃったの」


「はあっ?何をしているんだおまえは。


永近が折角用意してくれ物だというのに、まったくの無意味ではないか」



(おっしゃる通り)



「は、反省してます……」



これには弁解の余地がない、完全に自分が悪いので思葉は玖皎の嫌味も素直に受け止めた。