学園世界のイロジカル

なんで泡立て器持ってるの?


しかもエプロン姿だし…なんか、お菓子作りの格好だよね、どう見ても。




「二階堂椿さんですよね」



「は、はあ……」



まだ距離は30mぐらいあるのに聞こえた大きな声は、どこかトゲのある感じ。



…絶対私の声は聞こえてないや。





「あなたは見たところ、職持ちではなさそうです」



いやあ、一応職持ちなんですけどね?



ちょっと私の命がかかっているので…とりあえずうなずいときます。




ん、ちょっと待って、なんでそんなこと聞いてくるんだろう…



考え込んで…突然、閃いた。


その答えが見つかった時には…彼女はもう私の目の前わずか4、5mの位置に!




さ、避けなきゃ!



突っ込んできた女の子を、身を翻して避ける。

彼女が持っている泡立て器が大きくなったのには…全然気付かなかった!



あ、あぶ、なかった……!




「…意外に速く動きますね」




泡立て器をよいしょ、と肩にかついだ彼女は、私を睨みながらすぐに距離をとった。




今ので確信した…



あの子は、職持ちだ……!




「城下町一のケーキ屋の新入りなんです、私。

この能力を買われて」




今度は10mぐらいの距離で私と対峙する。