暗闇に咲く

「土方副長、天川が目を覚ましました。」
天川を治療してくれていた山崎がそう伝えてくれた。「そうか...行こう。」
「あ、いえ天川がこちらへ来ると」
山崎がそう言うと「それ、ほんとですか」
と総司が首をはさんできた。
「はい。」「じゃあ僕達もちゃんと謝らないとね。」「謝って許される問題じゃないだろ。」「来ましたよ」
その言葉でいっせいに振り向いた。
彼女は源さんが担いでいた。
「お待たせしてすまないねぇ。」
「いえ。」
源さんが彼女を下ろすと礼儀正しく礼をした。その後、くるりと向きをかえ俺達と向かい合った。まずはじめに近藤さんが組を代表して頭をさげた。
「天川君すまない！我々の勘違いで酷い事をしてしまった。しかも君が女の子だったとは」「勘違い？ふっ、笑わせんなよ。
私は何度も知らないと言った。..........と
言いたいところだけどいいよ別に。」
"いいよ"だと。しかもあんなに傷付けられといて簡単に許すのかよ。
「フフ、納得いかないって顔してるね。
いーんだよ別に、これがあなた達の仕事だってわかってるしこうしないと京の治安が守れないっておもってるんだろ。わかってるよ。それに今更体に傷が1つや2つ増えたところで変わりっこないよ。」
「どーゆーことだ？」
「女の子の体に傷をつけたとあらば中々、
嫁になどはいけないのだぞ。」近藤さんが
言った。「うん。けど、ここに連れて来られる前から傷とかあったので、今更そんな
女としての幸せとかは願いません。」
　はぁ？何言ってんだこいつ。
女としての幸せを願わないだと。

こいつの過去に何かあるのは確かなようだ